社員インタビューは過去・現在・未来で聞く|1人から3〜5本

会社ブログの質問の順番と、ネタ切れが起きる本当の理由

本記事は、ホームページ制作とWeb運用に20年携わってきた原本昌悟(ノルツ株式会社 代表取締役)が、会社ブログの相談を受けたときに実際に話している内容にもとづいて書いています。数字や質問項目は、その場で説明しているものをそのまま載せています。

この記事の要点

社員インタビューは、過去(入社の経緯)→現在(いまの部署と仕事内容)→未来(今後の目標)の順で聞きます。この3つに分けて掘ると、1人あたり3〜5本の記事が書ける見積りになります。会社ブログのネタ切れは書き手の能力の問題ではなく、ネタがある現場と、書く人が座っている席が離れていることが原因です。

公開日 2026-09-26/更新日 2026-10-01

オフィスで社員に向かい合って話を聞く様子。机の上にICレコーダーとメモ帳が置かれている

社員インタビュー記事は、何をどの順番で質問すればいいのか?

過去 → 現在 → 未来の順に聞きます。具体的には「入社の経緯」「いまの部署と仕事内容」「今後の目標」の3つです。時間軸で区切ると、話す側は思い出す順に答えられ、書く側は記事の切り分け単位をそのまま手に入れられます。

1. 過去:入社の経緯を聞く

前職で何をしていたのか、なぜこの会社を選んだのか、入る前に何を不安に思っていたのか。ここは本人しか持っていない情報なので、ほぼそのまま1本の記事になります。

2. 現在:いまの部署と仕事内容を聞く

どの部署で、1日のうち何にいちばん時間を使っているのか。社内の人間が読むと当たり前に見える内容でも、外の人にとっては初めて知る情報です。ここは業務の説明だけでなく、うまくいかなかったこと、工夫していることまで聞くと厚みが出ます。

3. 未来:今後の目標を聞く

これから何をやりたいのか、どうなりたいのか。未来の話は事実確認ではないので、話し手が自分の言葉で語りやすく、引用としても使いやすい部分です。

この3分割は、順番を守ることに意味があります。いきなり「今後の目標は?」と聞くと答えに詰まりますが、入社の経緯から順にたどると、自然に現在と未来の話につながっていきます。

  1. 過去:入社前の状況と、入社を決めた経緯
  2. 現在:所属部署、担当業務、実際にやっていること
  3. 未来:今後の目標、やってみたいこと

社員インタビュー1人から、記事は何本くらい作れるのか?

1人あたり3〜5本という見積りで考えています。過去・現在・未来がそれぞれ独立した記事になり、話の濃さによってはそこからさらに枝分かれするためです。

私はこの見積りを、次のように話しています。

「人数かける3から5本ぐらいですかね、の記事っていうのは書けるんじゃないかなという風に思います。」(原本昌悟)

単純な掛け算なので、社員が5人いれば15〜25本、10人いれば30〜50本という計算になります。会社ブログを月4本で回すなら、5人分のインタビューだけで3か月から半年分の材料になります。

インタビューする人数見込める記事本数(1人3〜5本)
3人9〜15本
5人15〜25本
10人30〜50本

大事なのは、1人に1本の「社員紹介ページ」を作って終わりにしないことです。過去・現在・未来で分けておけば、最初から複数本に切り分ける前提で話を聞けます。

そもそも、なぜ会社ブログの担当者はすぐネタ切れするのか?

ネタがある場所と、書く人が座っている場所が離れているからです。公式ブログを任されるのは内勤でデスクワーク中心の人が多く、その人からは事業の最前線が見えません。能力の問題ではなく、情報の配置の問題です。

私はこの状況を、相談を受けたときにこう説明しています。

「社内でデスクワークやってるとそのデスクワークの内容はわかるんですけども、社内のその会社の事業の最前線っていうんですか、営業がどんなことを話してどんなふうに断られているかとか、どういう壁に当たって何が起きているかとか、最前線の部分って全く見えないと思うんですね。」(原本昌悟)

営業がどう話し、どう断られ、どんな壁に当たっているか。読み手が知りたいのはそこですが、その情報はデスクには届きません。そのまま「ブログをよろしく」と任されれば、ネタは早い段階で切れます。

逆に言えば、ネタ切れは書き手を替えても直りません。直すべきは、現場の情報がブログ担当者のところまで流れてくる経路のほうです。

ホワイトボードに時間軸を3つに区切って質問項目を書き出している手元

営業の話をネタにするには、どうやって社内の体制を作るのか?

担当者が個人でお願いして回るのではなく、社長や上司に相談して、営業からヒアリングできる体制そのものを作ってもらうのが現実的です。営業の話を聞いてブログにするのは、ネタの調達方法としてかなり有効だと考えています。

この方法について、私はこう話しています。

「営業からいろいろヒアリングをして、それをネタにブログを書いていくっていうのはかなり現実的というかすごく良い方法だと思います。」(原本昌悟)

ポイントは、ヒアリングを「お願いベース」にしないことです。営業は自分の数字を追っているので、善意だけに頼ると後回しになります。社長や上司に相談して、月に何回・誰に・どのくらいの時間で話を聞くのかを決めてしまうほうが続きます。

聞く内容も、社員インタビューと同じ時間軸で整理できます。

  • 過去:以前はどんな断られ方をしていたか、どこでつまずいていたか
  • 現在:いまどんな質問をよく受けるか、どんな壁に当たっているか
  • 未来:これからどんな客に会いたいか、何を変えたいと思っているか

「展示会に出展します」の一行から、どうやって記事を増やすのか?

事実だけを確認すると告知1本で終わります。知ったきっかけ、出る理由、狙い、どうなったら成功か、来てほしい客の5つを聞くと、背景と意図が入った記事になります。イベント系の記事は、この深掘り次第で価値が大きく変わります。

私はイベント告知記事について、こう話しています。

「この展示会出展しますしか書けないんですよ。それ以上書きようがないというのはね、本当のところだと思うんですけども、よくよく聞いてみると多分、何でその展示会知ったの?とか、何で出ようと思ったの?とか、その展示会で何を狙っているの?とか…そういうことをね、しっかりねほりはほり聞くことができるなら、それは結構有料なブログコンテンツのネタになるんじゃないかなという風に思います。」(原本昌悟)

イベント記事で聞く5つの質問

  1. 何でその展示会を知ったのか
  2. 何で出ようと思ったのか
  3. その展示会で何を狙っているのか
  4. どうなったら良いと思っているか
  5. どんな客に来てほしいか

深掘りする前と、した後の違い

聞き方書けるもの
「展示会に出展します」という事実だけを確認する日時・場所・ブース位置の告知が1本
知ったきっかけ/出る理由/狙い/成功の状態/来てほしい客まで聞く出展の背景、狙い、想定する来場者像などに分けた複数本

受賞や選出といった業務連絡的な記事も同じです。「選ばれました」で止めず、何を評価されたのか、応募しようと思った理由は何かまで聞けば、社員インタビューと同じ構造で書けます。

ネタを持っている人が文章を書けないとき、どうすればいいのか?

書いてもらうのをあきらめて、話してもらいます。話した内容を録音し、それを記事にする流れにします。ネタを持っているのは意思決定者や営業の最前線に立つ人で、その人たちは書くのは苦手でも、話すことには付き合ってくれることが多いからです。

このギャップについて、私はこう話しています。

「そのネタを持っている人っていうのは、その会社でガンガン活動している方たちなんですよね。意思決定をしている人たちとか、営業でガンガン前に出ている人たちとか、そういう人たちがネタを持っているんですよ。持っているけど、その人たちは文章を書くのが苦手だし、時間もなかなか取れなかったりします。ただ、話すことについては結構付き合ってくれると思うんです。」(原本昌悟)

「話したものを、例えば録音とかしておいて、それをね、ブログにしていくのがいいんじゃないかなと思います。」(原本昌悟)

ネタを持つ人は書けない、書ける人はネタがない。この構造がある限り、「書いてください」というお願いは通りません。録音を挟むと、ネタを持つ人の負担は「話す」だけに減り、書く人の負担は「聞き出す」から「まとめる」に変わります。

もしデジも同じ考え方で作っています。1本の収録は5分程度で、そこから1〜5本の記事になります。社員インタビューの1人3〜5本という見積りと、ほぼ同じ密度です。

社員インタビューは、採用向けのブログにも使えるのか?

使えます。営業の情報が取りにくい場合、会社の文化や風土を伝える採用目的のブログに切り替えるという選択肢があります。過去・現在・未来という聞き方の型は、そのまま流用できます。

公式ブログの目的は、問い合わせを取ることだけではありません。営業へのヒアリング体制がすぐに作れないなら、会社の文化・風土を書く採用向けのブログに方向を変える手があります。社員インタビューは、そのまま採用向けの中心コンテンツになります。

ただし、目的が変われば書き方も変わります。採用向けなら「どんな人が働いていて、どんな雰囲気なのか」が主役になり、サービスの説明は脇に回ります。同じインタビュー素材でも、誰に読んでほしいのかを先に決めてから切り分けたほうが、記事の輪郭がはっきりします。

  • 採用向け:入社の経緯、働き方、チームの雰囲気、これからやりたいこと
  • 事業向け:現場で受ける質問、断られる理由、工夫していること

よくある質問

社員インタビューの質問は、過去・現在・未来のほかに何を聞けばいいですか?

まずは過去(入社の経緯)・現在(部署と仕事内容)・未来(今後の目標)の3つで足ります。そのうえで、現在の話のなかから「よく受ける質問」「うまくいかなかったこと」を掘ると、記事の本数が増えます。

社員インタビュー1人でいくつの記事になりますか?

1人あたり3〜5本という見積りで考えています。過去・現在・未来がそれぞれ1本になり、話の濃さによって枝分かれするためです。5人なら15〜25本の計算になります。

インタビューは録音したほうがいいですか?

はい。ネタを持っている人は文章を書くのが苦手で時間も取りにくい一方、話すことには付き合ってくれることが多いので、話してもらったものを録音し、それを記事にする流れをおすすめしています。

イベントの告知記事が一行で終わってしまいます。

事実だけを確認しているためです。何でその展示会を知ったのか、何で出ようと思ったのか、何を狙っているのか、どうなったら良いと思っているか、どんな客に来てほしいか。この5つを聞くと、背景と意図が入った記事になります。

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