この記事の要点
士業のホームページで集客を考えるとき、資格が変わっても共通するのは「専門用語を外す」「誰向けの事務所かを明示する」の2点です。変わるのは差分だけで、税理士は顧問という契約形態、行政書士は頼める業務範囲と依頼タイミング、司法書士は読み手が経営者か他士業かの設計が要点になります。まず共通の2点を直し、そのうえで資格ごとの差分を足すのが順番です。
公開日 2026-10-26
士業のホームページ集客で、資格が違っても共通することは何か?
資格が税理士でも行政書士でも司法書士でも、共通する軸は2つしかありません。「専門用語を外して、専門知識が一つもない人が見ても分かる言葉で書く」ことと、「誰向けの事務所なのかを明示する」ことです。資格ごとの違いは、この2つの軸に乗せる中身の差分として整理できます。
専門の知見をホームページにそのまま載せても、発注側には何も伝わりません。まずそこを認識するところが出発点になります。専門知識を一つも持っていない人が見ても分かるホームページにする、という意識の置き方が、どの資格でも最初に効きます。
もう1つが、誰に向けたページなのかという定義です。読み手が経営者なのか、個人なのか、連携を前提にした他士業なのかで、説明の深さも、載せるべき情報も変わります。ここが決まっていないページは、結果として誰にも刺さらない説明の並びになりがちです。
この2つは、士業サイトで繰り返し出てくる論点です。専門用語の問題だけを詳しく整理した記事として士業のホームページに専門用語を書いても集客は伝わらないも公開しています。
共通の2軸でまず確認すること
- 業務内容の説明が、資格を知らない人の言葉になっているか
- 対象顧客(起業予定者・小規模事業者・中小企業・大手など)が書かれているか
- 業務内容がカテゴライズされて並んでいるか
- 顔写真つきのプロフィールがあるか
税理士のホームページには何を書けばいいのか?
税理士のサイトでまず書くべきなのは「顧問をやっている」という契約形態そのものです。税理士側は当然のこととして省略しがちですが、経営者側からは全く分かりません。あわせて、仕事の領域・対象顧客層・得意分野・プロフィールの4点を明示すると、問い合わせの判断材料がそろいます。
スタートしたばかりの経営者は、税務・財務・会計・経理の区別すらついていないことがあります。その前提に立つと、専門用語だらけのページは経営者には一切伝わりません。税理士のウェブサイトを担当するときは、税理士の話を一生懸命聞いて、制作側が自分でも理解できる内容まで落とし込んでからライティングする、というフローで進めてきました。書くときのトーンは、中学生でも分かるくらいを目安にしています。
そして、顧問をやっていること。「やってますよね、そりゃそうですよね」と思われるかもしれませんが、経営者側からすると書いていなければ分かりません。顧問中心なのか、記帳などの事務作業も受けるのか。その線引きが書かれているだけで、問い合わせの前に判断ができます。
税理士サイトで明示する4項目
- 仕事の領域(顧問中心か、事務作業も受けるか)
- 対象顧客層(起業予定者・小規模事業者・中小企業・大手など)
- 得意分野(この分野に強い、とはっきり書く)
- プロフィール(顔写真・経歴・事業を立ち上げた思いや背景)
得意分野がはっきりしていると、それだけでも集客につながる可能性があります。税理士に絞った整理は税理士のホームページに何を載せるか|状況別の導線と4項目にまとめています。
行政書士のホームページには何を書けばいいのか?
行政書士は業務領域が多岐にわたる印象があるため、発注側から見ると「どの部分を頼めるのか」が分かりません。だから、対応業務範囲と対応エリアを絞って明示することが先です。さらに「どういうときに頼めばいいのか」という依頼タイミングを書くと、発注の入り口が見えるようになります。
発注側からすると、専門用語があまり多いと正直わかりません。そのうえで業務領域が広く並んでいると、頼める範囲の輪郭がぼやけます。どの部分に特化しているのかをしっかり出していく、という集中と選択が、結果として差別化になります。広いほど絞って見せるという考え方は業務範囲が広い行政書士ほどホームページは絞って見せるで扱っています。
もう1つの壁が、発注のタイミングです。どういう時に発注したらいいのかのイメージが発注側にないと、困っていても相談に至りません。想定される場面を具体的に書くことが、そのまま入り口になります。行政書士にいつ頼めばいい?依頼タイミングをホームページに書くも参照できます。
書類仕事が苦手な層への一文
書類仕事が苦手な経営者は多く、スキャンして送るようなデジタルのやり取りに対応しづらい層も存在します。だからこそ「直接全然会えますよ」、できれば「もう会いますよ」くらいの書き方が効く場面があります。対面対応の伝え方は士業ホームページに「直接会えます」と書くにまとめました。
単発か顧問かを先に決める
行政書士で顧問として受け負っている方はあまり聞いたことがない、という印象があります。単発中心なのか顧問を取りたいのかという事業の方向性を最初に整理し、それをホームページ上に明示することが、動線や料金掲載の判断にも直結します。
司法書士のホームページには何を書けばいいのか?
司法書士のサイトは「誰が見るか」で中身が変わります。読み手が経営者なら、司法書士とはどんな仕事をする人なのかという説明から必要です。読み手が弁護士など連携前提の他士業なら、説明ではなく協業の提案を載せたほうが機能します。
発注者が経営者の場合、おそらく「司法書士ってどんな仕事をする人なのか」から説明しないといけません。そのときも専門用語は使わず、「こういう困りごとを、こういうふうに解決する人なんです」という形に置き換えます。
一方、読み手が弁護士や他士業で、連携が前提になるなら、必要なのは入門的な説明ではなく協業の提案です。どういう案件をどう連携できるのかを書いたほうが、相手の判断材料になります。読み手別の設計は司法書士のホームページは誰が見るかで中身が変わるで詳しく扱っています。
あわせて検討する施策
- プロフィールの充実とFAQ(よくある質問)の充実
- 動画・写真の掲載(「この人、悪い人じゃないんですよ」という対外的なアピール)
- 強みの明文化(KBF・USPといった概念で、発注を決める基準や不安を解消する言葉を言語化する)
- 「30分無料相談受付中」のような、最初のきっかけの提示
強みを明示化し、それを文章としてちゃんと伝えられると、問い合わせをする理由づけになります。動画を載せるかどうかの判断はホームページのトップに動画は必要かも参考になります。
税理士・行政書士・司法書士で、書く中身はどう違うのか?
発注側がどこでつまずくかが違うので、先に書くべき中身も変わります。税理士は契約形態、行政書士は業務範囲と依頼タイミング、司法書士は読み手の定義です。共通の2軸(専門用語を外す・対象顧客を明示する)を土台に、この差分を上乗せする形になります。
| 資格 | 発注側がつまずく点 | 先に書く中身 |
|---|---|---|
| 税理士 | 税務・財務・会計・経理の区別がつかない/顧問をやっていることが書かれていない | 顧問中心か事務作業も受けるか、対象顧客層、得意分野、プロフィール |
| 行政書士 | 業務領域が広く、どの部分を頼めるか分からない/いつ頼めばいいか分からない | 絞った業務範囲、対応エリア、依頼タイミング、依頼フロー、対面対応の可否 |
| 司法書士 | そもそも何をする人なのか分からない(読み手が経営者の場合) | 読み手の定義、困りごとベースの説明、他士業向けなら協業提案、FAQ |
どの資格でも最後に効いてくるのは、頼んだ後にどうなるのかという具体像です。なんとなく頼む人はおそらくいないので、頼んだときにどうなるのかがより具体的に書いてある状態をサイト上で作れていると、より良いサイトになります。依頼フローの書き方は士業のホームページに問い合わせが来ない|依頼フローの書き方にまとめています。
プロフィールには経歴と思いのどちらを書けばいいのか?
経歴に強みがあるならプロフィールに書き込み、経歴で出せるものが少ない場合は「思い」を書くのが代替になります。士業でミッション・ビジョン・バリューをしっかり掲載している方は結構少ない印象があるので、ここは差がつきやすい部分です。
発注側が見ているのは、結局「この人はどんな人なんだろう」というところです。経営者も発注側も、そこを気にしています。だからプロフィール写真を載せることと、人柄が伝わる情報を置くことは、資格を問わず共通して効きます。
書く内容は、何のために独立したか、どんなサポート・提供をしたいか。専門的な言葉は一切使わず、平易な言葉で伝わるように書きます。ホームページを作った理由までは書かなくても構いません。
書き方の手順は士業のプロフィールの書き方|経歴で勝負できないなら思いを書くで整理しています。対象顧客の明示とセットで考えるなら「顧問やってます」は書かないと伝わらないも合わせて読めます。
コラムには何を書けばいいのか?
コラムは一番嘘をつきづらい部分なので、信頼を積み重ねる媒体として機能します。ネタは2つ。法律が変わったときの解説と、難しい処理を実際に調べながらクリアしたときの中身です。どちらも、わかりやすい言葉に噛み砕いて出すところまでが仕事になります。
法律は毎年のように変わります。その内容をしっかり噛み砕いて分かりやすく提示していくと、「この人は分かりやすく説明をしてくれる方なんじゃないだろうか」という印象を与えることができます。専門性の証明と、話しやすさの証明を同時に兼ねられるのがコラムの強みです。
難しい処理を実際に調べながらクリアしたときの内容も、そのままネタになります。現場で手を動かした人しか書けない中身で、かつ読み手にとっては「同じ状況になったとき頼れるか」の判断材料になります。
なお、制度や法改正にふれる記事では、書いた時点を明記し、最新の情報は公式の発表や専門家で確認するよう添えておくのが無難です(2026年9月時点の考え方)。
関連する整理は専門家がコラムに何を書くかと制度が毎年変わる士業は発信のネタが切れないにあります。
ホームページを作れば、士業に問い合わせは来るようになるのか?
ホームページを作って待っていても、会社名や屋号を知られていない状態では検索してもらえません。名前を知らなければ検索はできないからです。交流会・展示会・セミナー登壇などで名前を知ってもらい、その後に調べられたときホームページで回収する、という順番が本筋になります。
1回挨拶した相手のことを調べる、というアクションは実際に発生します。そこでホームページが受け皿として機能すれば、信頼を回収できます。逆に、受け皿がなければ、せっかく生まれた検索は他のサイトが受け止めます。
名前を知ってもらうための活動の例
- Googleマップへの掲載と上位表示
- SNS投稿、note投稿
- YouTube・TikTokなどの動画メディアへの投稿
- 交流会・展示会への参加、セミナー登壇
ホームページ単体で集客したい場合
ホームページだけで集客したいなら、打ち出し方を絞ります。地域名+資格の種類、もしくは特定の専門分野を掛け合わせた打ち出し(〇〇専門の資格)です。どちらも分かりやすく戦える内容になります。
今の自社サイトがどの段階にあるかは自社サイトは今どこか|「見つかる」までの4段階で現在地を測るで測れます。原因の切り分け全体はホームページから集客できない原因は4つにまとめています。
どの順番で手を付ければいいのか?
共通の2軸から先に直します。専門用語を外して書き直し、対象顧客を明示する。そのうえで資格ごとの差分(税理士は契約形態、行政書士は業務範囲と依頼タイミング、司法書士は読み手の定義)を足し、最後に人柄と継続更新を積み上げる、という順番です。
- 業務内容を、専門知識が一つもない人に伝わる言葉で書き直す
- 対象顧客層を明示する(起業予定者・小規模事業者・中小企業・大手など)
- 資格ごとの差分を足す(契約形態/業務範囲と依頼タイミング/読み手の定義)
- 頼んだときにどうなるのかという依頼フローを具体的に書く
- プロフィール写真と、経歴または思いを載せる
- コラムで法改正や難しい処理の解説を、わかりやすい言葉で出し続ける
- 交流会・展示会・セミナー・SNSなどで名前を知ってもらう活動と組み合わせる
検索から問い合わせが入り始めるまでには、一般的に半年から一年かかります。順番を飛ばしてデザインや施策から入ると、土台の言葉が伝わらないまま流入だけを足すことになりがちです。
よくある質問
士業のホームページに料金を載せたほうがいいですか?
料金掲載は、単発中心でいきたいのか顧問を取りたいのかという事業の方向性によって判断が変わります。方向性を先に整理し、それをホームページ上に明示したうえで、動線と合わせて料金の見せ方を決めるのが順序です。
専門用語を外すと、専門性が伝わらなくなりませんか?
専門性は用語ではなく、説明の分かりやすさで伝わります。法律が変わったときや、難しい処理を実際に調べながらクリアしたときの中身を平易な言葉で書くと、分かりやすく説明してくれる人だという印象を与えられます。
経歴に書けることが少ない場合はどうすればいいですか?
経歴に強みがあればプロフィールに書き込み、出せるものが少ない場合は「思い」を書きます。何のために独立したか、どんなサポートをしたいかを、専門的な言葉を一切使わず平易な言葉で書く形です。士業でミッション・ビジョン・バリューを掲載している方は少ない印象があり、差がつきやすい部分です。
無料相談は載せたほうがいいですか?
「30分無料相談受付中」のような表記は、問い合わせの最初のきっかけとして分かりやすい施策です。ただし、相談の前段で何をする人なのか、何を頼めるのかが伝わっていないと、きっかけだけでは動きません。
ホームページだけで集客することはできますか?
ホームページ単体で集客を狙う場合は、地域名+資格の種類、または特定の専門分野を掛け合わせた打ち出しに絞るのが分かりやすい戦い方です。それでも、検索から問い合わせが入り始めるまでには一般的に半年から一年かかります。
参考・出典
- 日本税理士会連合会(税理士制度の公式情報)(2026年9月時点)
- 日本行政書士会連合会(行政書士の業務に関する公式情報)(2026年9月時点)
- 日本司法書士会連合会(司法書士の業務に関する公式情報)(2026年9月時点)
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